同じ出来事を生きても、
人によって漂う空気は違う。
喜びがあるから軽やかなのではない。
悲しみがあるから静かなのでもない。
その違いを生むのは、
何を感じたかではない。
何に反応するのか。
生まれた感情が、
どの経路をたどるのか。
それらは別々に現れるのではなく、
一つの呼吸として積み重なっていく。
『静謐の呼吸』は、
佇まいを形づくる「感情」の構造を辿る。
感情は、
生まれて終わるものではない。
流れ、
留まり、
変わり、
やがてその人らしい呼吸になっていく。
その繰り返しは、
温度となり、
湿度となり、
透明感となり、
空気として人へ伝わる。
人は、
感情を纏っているのではない。
感情との付き合い方を、
纏っている。
佇まいは、
空気の質として滲む。