Notes 04
違和感は、
感情だと思われやすい。

嫌だったのか、
不快だったのか、
合わなかったのか。
そう整理されることが多い。

けれど、
実際に起きている反応は、
もう少し手前にある気がする。

言葉が届く前に、
意味を理解する前に、
身体がわずかに構えてしまう。
呼吸が浅くなったり、
視線が定まらなかったり。

そこには、
怒りや悲しみほど
はっきりした感情はない。

ただ、
「ここではない」という
小さなズレだけが残る。

そのズレは、
誰かの性格や態度ではなく、
場の組み立て方から
生まれていることがある。

役割の配置。
空気の流れ。
期待されている反応。
沈黙が許される余白の有無。

そうした構造が、
身体にとって
少しだけ不自然だったとき、
違和感は言葉になる前に現れる。

だから説明が難しい。
理由を聞かれても、
的確な言葉が見つからない。

「なんとなく」としか
言えなくなってしまう。

その曖昧さは、
感覚が鈍いからではなく、
むしろ先に感知しているから
生まれているのかもしれない。

違和感は、
感情の未熟さではなく、
構造への反応として
立ち上がることがある。

言葉にできないまま
残っていたあの感覚は、
理解が足りなかったのではなく、
説明を待たずに
もう測ってしまっていただけだった。



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